魚やカニではなく、肉がお好み
キツネの体は乾いていた。
プラスチックのケースとおがくずは、キツネの体を温めるのに役立っていた。
マロリーはキツネに魚やカニをやろうとしたが、キツネは興味がないのか、そっぽを向いてしまった。
何かキツネが食べるものはないのだろうか?
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マロリーは自分達の食べ物保管庫に何かないかと探した。
見つかったのはフランクフルトソーセージだ。
ボールに入れてキツネの前に置いた。
キツネはソーセージのにおいをかぎ、ガツガツと、あっという間に平らげた。
これがその日、キツネにとって初めて食べた食事であるようだった。
港に戻る
食事の後、キツネは再び眠りに落ちた。
船がやっと港に着いたのは、その直後だった。
船を岸につける作業の音で、キツネは再び目を覚ました。
マロリーは船のやかましいエンジン音の中で、キツネのそばにいて、キツネを落ち着けようとしていた。
マロリーは優しくキツネに話しかけた。
何を言っているのか分からないとしても、
低い優しい声にキツネが落ち着くことができるのではないかと思った。
着岸作業が終わるまで、どうにかキツネが興奮しないように落ち着けておく必要があった。
キツネの住みかを探して
やっとのことで船を岸につけると、3人はキツネをどうしようかと考えた。
キツネの体は温まり、乾いていた。
餌もやった今、やらなければならないことは1つ、住みかを探すことだった。
マロリーは1つの案を思いついた。
港の近くに、キツネを野生に戻すのにぴったりの場所があったことを思い出したのだ。
そこに差し迫る危険はなく、動物が再び自然に野生に帰れるように見守ることもできる。
眺めのいい部屋
新しい住みかは野生に戻るキツネにとって安全なばかりか、そこにあった犬小屋をこのキツネの家として使うことができる!
その場所は港から10分離れており、街からは少し離れたところにあった。
そこに着いた3人は犬小屋を探した。
それが崖の傍にあったのは知っていたが、正確な場所がどこなのかは知らなかった。
クリフはずっとキツネを抱えて歩いていた。
2人がキツネのために住みかを探している間中、自分のするべきことはキツネを安全に保護することだった
救助成功
少し時間はかかったものの、キツネに住みかを見つけることができた。
一日中かけて、ここまでキツネのためにしてきたものの、最後の判断はキツネに任せようと思った。
そこで、キツネの入ったプラスチックケースを犬小屋の傍に置いて、3人は見守った。
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ホッキョクギツネはケースから出て、ブルブルっと体を振るうと、家の方に歩み寄った。
入り口で座ると、新しい住みかの方を見た。
この瞬間、マロリーとクリフ、そしてアランの3人は自分達が素晴らしいことを成し遂げたことを実感した。